新築物件の購入代金支払い方法とイニシャルコスト(諸費用)、購入後の費用について

購入代金の支払い方法
① 手付け金(Obtaining Option to Purchase 先取購入権)として 購入価格の5%、
– 原則2週間以内に購入の意思決定をして頂きます。購入されない場合には、手付け金の一部のみ返却されます。
② 契約金 (Signing of Agreement for Sale and Purchase 売買契約書)として 購入価格の15%、
– ①の期間中に15%を支払い本契約を締結します。この後の契約解除は売買契約書に基づきます。
– ②以降は、売買契約書に基づいて建築の進行段階に応じた支払いが必要になります。③のTOP時点で85%になります。
③ TOP(Temporary Occupation Permit 暫定入居許可)時点で購入価格の85%まで、
– ②から③の期間で購入価格の60%を段階的に支払う事になりますが、購入のタイミングがTOPの前後になる事が多く、購入価格の85%ぐらいは準備しておくことが必要です。
④ Certificate of Fitness or Certificate of Statutory Completion (政府の検査証明)発行時点で15%(合計100%)を支払い終了。
– ③の入居許可から④の検査証明までは通常数か月となります。
イニシャルコスト(諸費用)
印紙税
1) 新築物件の場合、原則、購入価格の最初のS$180,000までは1%、次のS$180,000までは2%、更にS$360,00を超える高額物件については、購入価格x3%-S$5,400。
* 最初の180,000X2%と次の180,000X1%(それぞれ3%との差額)の合計がS$5,400となるので、高額物件は購入価格に3%を乗じた後、S$5,400を差し引く事により計算ができます。
2)別途、ローンを組んで抵当権を設定している場合には、融資額S$1000につき、S$4の印紙税が発生します。
消費税
個人の住宅売買代金は免税となっています。但し、商業不動産(オフィス・店舗)の取引には7%の消費税が発生致します。
弁護士費用
弁護士費用は自由化されており弁護士事務所により費用は異なります。また、都市計画による土地収用計画の有無、諸法規の確認などは、日本の司法書士にあたる職種がない事もあり、不動産を専門とする弁護士が担当致します。また、融資の抵当権が設定される場合には銀行側弁護士の弁護士費用が別途発生することに注意が必要です。
購入後のコスト
日本の固定資産税にあたる不動産税として、不動産の年間評価額(収益額)に所有者の居住物件で4%、所有物件を賃貸している場合には10%が課税されます。
その他注意点
融資額の上限は、非居住者と居住者(ビザ保有者)により異なり、前者が60%、後者が80%となります。
*但し、前回から変更の可能性がある為、確認要。

シンガポールで就労ビザをお持ちの方へ

シンガポールの就労ビザをお持ちの方に生命保険をご提案できるようになりました。日本で発行されている生命保険商品よりもかなり有利な条件でご加入頂けます。日本での生命保険にご興味を無くされていた方、是非一度ご連絡下さい。

≪一例≫

30歳、男性、非喫煙

一時払い保険料 1000万円 → 生命保険金 8000万円

お支払い方法につきましても色々なオプションがございます。ご相談下さい。

 

 

 

某税理士法人 富裕層向け会報 11月号掲載

この9月から、“外から見た孤立化する日本”、“なぜシンガポールに人・物・富が集中するのか”など、私の主観を中心に皆様にお伝えしてまいりました。10月には某週刊経済誌が“日本を見捨てる富裕層”として特集を組んでおります。その記事の中ではシンガポールについてもかなりの量を割いておりますので、ご覧になられた方も多いと思います。私どもは数年前より個別のお客様に対してご説明をしてまいりましたが、大勢の方に対する情報発信としては、本会報の9月号が最初であると思います。引き続き同様の内容の記事がこれからも各社から発信されるであろう事を考えますと、その先鞭を切らせて頂けました事をとても光栄に思っております。今回は、一旦その区切りとして、実際にシンガポールで行われている事を少しばかりご説明したいと思います。

銀行口座開設 シンガポールの銀行口座開設ツアーが多くの業者さんによってなされているようです。中には日本にいながら郵便で口座開設をしますとの触れ込みの業者さんもいるようですが、シンガポール金融関係者であれば、Know Your Clientという、口座開設を含む金融取引においては、担当者が必ず面談をしなければならいという、元々が非常に厳格なシンガポールの金融法上のルールに従っているはずであり、おそらく在日支店で本人確認をするものと思われますが、このことが法的に有効かどうかは微妙な所です。また、基本的には外国人の口座開設は、滞在ビザがなければ開設出来ない事になっておりますが、これは法規制の問題ではなく各行、しかも各支店の判断に委ねられているようです。従いまして、同じ銀行であってもビザを持たない外国人に対して口座を開設してくれる支店としてくれない支店とが混在します。口座開設に必要な資料はパスポートと住所確認書類(公共料金の領収書など)ぐらいですが、英語でコミュニケーションが取れることが前提で口座開設がなされますので、口座開設後は通常、日本語でのサポートがないことに注意が必要です。ある一定期間、口座に動きがない場合、一定の残高が維持されない場合には、口座が一時凍結されたり、口座管理手数料が発生したりします。私どもに持ち込まれる相談の多くは、口座の送金指示がうまくいかない、口座が使用できない、郵送物が届かないと言ったものです。これとは別に、富裕層のお客様にはBank of Singaporeを始めとして、一流のプライベートバンクがシンガポールに軒を並べております。スイスを含む欧米のプライベートバンクでは対応力・日本語でのサービスに限界があるとも言われ、日本人のバンカーを抱えたシンガポールのプライベートバンクは、急速に人気を博しております。

投資商品の購入 口座開設に続くのが投資商品の購入でしょうか。銀行口座のグレードには何段階かあり、預入金額に応じてサービスが異なってきます。高額の預け入れになればなるほど、購入できる投資商品(主にファンドや外貨預金)のバリエーションが多くなっているようです。株式口座は銀行口座とは別に開設が必要になります。銀行口座の開設と同様、現地の証券会社に出向いての開設が必要ですが、特に滞在ビザは必要とされません。その他、シンガポール国内では生命保険、ヘッジファンド、積み立て型年金保険など多様な金融商品が購入できるようになっております。直近のクレディスイスのレポートによれば、現在のシンガポール人の個人資産(負債差し引き後のネット資産)は平均US$285,000 (2010年1月はUS$215,000であり、2年以下で32.1%増加とのこと)であり、2016年にはミリオネアーの総数は現在の183,000人から408,000に激増すると予想されています。また、この資産額の増加は為替レートによるものではなく、資産価値の増加でもたらされるとのことです。日本では想像できないことですが、シンガポールでは資産を増加させる可能性がまだまだあるのです。

永住権 資産家向け永住権プログラム(FIS=投資家ビザ)は、全世界資産で12億円以上を保有し、シンガポールのプライベートバンクに6億円を預け入れることが条件ですが、最近になり、永住権申請前に一度シンガポールに行き1時間程度の講習を受けることが義務付けられました。このプラグラムの優れている点は、永住権にもかかわらず居住義務がない事です。永住権の取得方法にはこれ以外にも、事業を興して就労ビザから切り替える方法(事業家ビザ)や、一定額の不動産を購入して永住権を取得する方法(リタイアメントビザ)などがありますが、どちらもシンガポールに1年の半分以上居住することが義務付けられている事、実質的には現在、ほとんど永住権の許可が下りておりません。FISでは毎月約100件の申請がなされているそうですが、日本人はまだまだ少数であり、中国・ロシア・米国からの申請が多いようです。

不動産購入 シンガポールの不動産の特徴は、日本とは違いキャピタルゲイン(但し短期売買ではありません)を目的に保有されている事が多いと言うことでしょうか。シンガポールの不動産はかなり高額な範疇に入りますが、ロンドン、ニューヨーク、香港に比べればまだ優位性はあるようです。ちなみに、現在の購買層の中心は、インドネシア、マレーシアに続き英国、中国、インドの富裕層です。上海などの中国の不動産マーケットでは、転売がバブルを更に煽るという構図ですが、シンガポールで不動産を購入している富裕層の多くは自己使用(シンガポールに遊びに来た時だけ使いたいだけで、賃貸に出すつもりもない)がメインで全く売り急いでおらず、多くの人が価格が下がったら買おうと待っていますが、人気物件は売り物が出ない為に下がらないというのが実情です。私どもがご案内するお客様も投資が前提ですが、永住権の関係で、ご自分がお住まいになることも考慮に入れて物件を探されます。シンガポールはかなり特徴的な街づくりがされている為に、地域によっては欧米人が多いところ、日本人が多い所、また、公共の交通機関(特に日本時には地下鉄が使い易い)が近い、普段、気軽に買い物に行ける所があるなどといったことも検討内容になります。また、私どもは実際にお住まいになっている富裕層の方から、実際に住んで見てから分かる利点、利便性、不満など(住んでみたら壁が薄く、隣りや上の音がうるさいなど)の情報も入手しており、かなり具体的なアドバイスが可能だと思っております。コンドミニアムの開発は非常に盛んな為、不動産業者さんはどうしても、見栄えの良い、それなりの価格が付きそうな物件を紹介してきますが、実際にお住まいになることを前提にした場合には、多くの物件との比較で総体的・実質的価値を踏まえて検討することが必要であり、それが将来的な(売却時の)バリューにもつながると考えております。実際のマーケットの感覚としましては、東京都内の物件よりも高額だとお考え下さい。外国人が購入するコンドミニアムと言われる高級マンションでは、650万円~1000万円/坪が平均価格帯となっています。エリア、公共の交通機関へのアクセス、利便性、開発業者の実績などにより変わってまいります。また、価格が高いからと言って、建物自体、部屋自体のグレードが高いわけではありません。シンガポールでは新築物件購入後に、第3者の検査機関を使って徹底気にチェックする事が必要です。後、注意すべき点として、外国人には原則、土地の所有権付き不動産の購入は許可されておりません。(通常99年の借地権のみ、但し、セントーサ島のリゾート開発では例外的に政府の認可の下に一部可能となっています)

法人設立、事業展開など、お話したい事はまだまだたくさんございますが、紙面の都合上(日本の各種法規制上)、ここで一度終わらせて頂きたいと存じます。弊社ではシンガポールにご興味のある富裕層のお客様に向けて、個別のご要望毎に対応をさせて頂いております。(移住後の日常生活にかかわるようなご要望、例えば通訳・レストランのご紹介・口座開設、ご子弟のボーディングスクールなどのちょっとした事から、皆様の大切な資産に直接係わるような法人設立・不動産・投資・相続対策・調査に至るまで各種のご相談に応じております)皆様のシンガポールへのお越しを心からお待ち申し上げます。

 

某税理士法人 富裕層向け会報 10月号掲載

生き残りを賭けて 欧州のソブリン債危機は未だ混沌としており、米国の景気低迷からの脱出も具体的な展望に欠ける中、政治の空白、円高で苦しむ日本企業の海外進出が加速しだしています。海外進出というよりもむしろ、目に見えない形で機能の分散があらゆる分野でかなり大規模に進んでいると考えた方が良いように思います。最近、新聞発表されたP社の海外調達部門のシンガポール集約は、業界の典型的な動きの氷山の一角であり、日本の大手商社などはシンガポールにおいてかなり大規模なオペレーションを既に開始しています。日本の企業は我々が考える以上に優秀であり、また対応力が備わっているようです。機能の分散、すなわちグローバル化は、ローカル化という形で日本から一時的に付加価値を奪い去ることになるかもしれません。しかし、その事によって企業の価値を高め、企業の存続を支え続けることは、最終的には自国へ貢献できる機会を確保していると言っても過言ではないでしょう。このような形で企業が生き残りを賭け海外に機能を分散させている中で、力のある個人が日本にとどまる事は意味がないように思えます。個人マネーも追随すべきであり、躊躇する理由が見当たりません。同様にリスクを分散すべきです。米国では逆境に強い人、まさしく生き残った人を尊敬の念を込めて ”He is survivor” と呼ぶことがあります。 私達個人も同様、“We have to survive” であり、信念を持って海外に資産を隔離していた人々に対して ”He is survivor” と称賛を持って呼ばれる日が、いつか必ず訪れると思っています。

西洋から東洋へ 軍事力による富の収奪・移転により西洋国家が東洋の国々(実際には南米、アフリカも含まれますが)を支配するという近代史の枠組みが出来上がりました。それらは、食料や原材料、奴隷としての人の調達等を通して、資源の豊かでない国が資源の豊かな国を支配し、富の移転を図るという構図です。第二次世界大戦後、今まで支配されていた多くの国がナショナリズムの勃興とともに次々と独立するようになり、主に軍事力で支配関係を保っていた西洋の国々は、今度は、貿易・条約を通じてそれぞれの市場を目指すようになりました。ところが、人口の増大と市場の巨大化が、支配されていた東洋の国々に急速に力をつけ、東洋(持てる国)から西洋(持たざる国)への富の流出がとまり、これまでの構図が変わろうとしています。

東洋の中の日本 このような状況の中、どちらかと言えば欧米寄りであった日本の位置付けは相対的に低下しています。毎年スイスのビジネススクールが発表する世界競争力順位では、日本はかなり下位に位置しており(調査開始当時の89年は1位、現在は27位)、最近ではシンガポールが毎年1位を獲得しています。(香港が2位)シンガポールの一人当たり購買力平価(何千もの商品やサービスの国家間の価格差を調整し、実質的な購買力を反映させたもの)はUS$5万ドルを超えており、US$3万ドル強の日本を既に超えています。5年度の2016年度にはこの差が更に拡がると予測されています。(シンガポールはUS$7万ドル、香港US$6万ドル、日本はUS$4万ドルと予測)私達日本人は、今でも日本はアジア最強の国との認識が強いと思いますが(確かにGDPとしては世界第3位)、アジア全体としては、日本の思いとは関係のないところでパワーバランスが変わりだしたというのが実際のようです。

シンガポール シンガポールと言われても具体的にそのロケーション、周辺国、政治・経済的な位置付けをご存じの方は少ないのではと思います。今年になり、日本の携帯電話のコマーシャルでマリナベイサンズホテルが撮影に使われ、初めて話題にされた方もいるのではないでしょうか。シンガポールは人口で510万人程のいわゆる都市国家です。面積も東京23区程の大きさです。赤道直下近くに位置し、年間平均気温は約27度、熱帯雨林気候特有のスコールと1年の間に雨季と乾季が存在します。公用語は英語、中国語(マンダリン)、マレー語、タミル語ですが、基本的には大学教育を含めて英語が中心です。イギリス連邦加盟国であり、英米法(コモン・ロー)が整備されています。北はマレーシアからタイ・ベトナムと続き中国へ、南はインドネシアからオーストラリアへ、西へはインドから中東・ヨーロッパとつながる交通の要衝です。(もともと海運が盛んであり、コンテナ取扱量は昨年まで世界一でした)また、アジアではいわゆる華僑ネットワークは無視できない存在です。東南アジア諸国では経済は華僑が押さえていると言われており、シンガポール国民の77%は中華系、華僑と呼ばれる人々です。中国とは“良好な”関係を保っており、中国よりはむしろ台湾との関係がより強いと言われています。公用語にも表れていますが、近隣諸国との関係は非常に良好で、政治的な中立を保っています。兵役制度が今も残り、軍事(軍備)的にはイスラエルを模倣していると言われており、小国ながらも無視できない軍事力を誇っています。

金融センターとしてのシンガポール 最近、世界最大手の会計事務所の一つ、プライス・ウォータハウス・クーパーズが2013年にはシンガポールが富裕層の資産預かり残高でスイスを抜いて世界一になるであろうと新聞紙上で発表をいたしました。先に述べたように、シンガポールはアジアの小国に過ぎません。なぜ、このようなことが起こり得るのでしょうか?まずは政治的な中立性・安定性が思い浮かびます。シンガポールは基本的には華僑の国であっても、大国の中国に偏ることなく、英語を基本の公用語としていることもあって、あらゆる国とのコミュニケーション能力に長けています。しかも世界中に散らばる華僑ネットワークは私達の想像以上のものであり、国境をまたがって貴重な情報、重要な情報が共有されていると言われています。税制面を見てみますと、直接税である法人税は一律17%、個人所得税は最大20%の累進課税方式です。間接税の消費税は7%、遺産税(相続税)・贈与税も2008年に廃止がされ、世界的に見ても軽課税国ですが、政府系の投資会社の利益を含めると巨額の財政黒字国です。シンガポールの金融機関の健全性は折り紙付きで、シンガポール3大銀行の一つOCBC(華僑銀行)は世界で最も健全な銀行のベスト1に選ばれています。(ブルームバーグ発表)。また、シンガポールの犯罪発生率は日本の半分以下という調査報告もあり、医療機関の技術レベル、教育機関の研究レベルもアジアでは日本・香港と1・2を争うレベル、テロも震災も原子力発電施設もありません。企業法務の上では国際企業間の紛争の仲裁地としても機能しています。のこれらの中立性・安定性・安全性・専門性・信頼性がシンガポールに世界中から人と物と資金を集める原動力であることに疑いの余地はないようです。(ご参考までに、S$1000万ドル、邦貨換算6億円の預託金を必要とされるシンガポール永住権の申請が“毎月”100件、そして、純金融資産でUS$100万ドル以上を持った世帯は、6世帯に1世帯になったことが新聞発表されています。)

最後に かつて、アジア最高を誇った日本の金融機関は“物言わぬ”債権者として大量の国債を抱え瀕死の重傷です。冒頭にお話しましたように、世界はアジアを中心に動き出そうとしています。日本の政治がどうであろうが、財政的に破綻の危険性があろうが、私達は生き残らなければなりません、もう一度、アジアの盟主、そして世界の盟主を目指すべく。その鍵は間違いなくシンガポールにあります。

 

某税理士法人 富裕層向け会報 9月号掲載

「海外から見た日本の富裕層」

私のこと 私は米国に8年、上海に5年、シンガポールに来て3年になります。社会人の大半を海外で過ごしていることになるのですが、米国のロサンゼルスに95年に渡って以来、激動する世界を目の当たりにしてまいりました。89年に卒業して日本の企業に就職し、95年に米国、03年に上海、リーマンショック後の08年にシンガポールにまいりました。お気付きの通り、私はこの20年間を景気の良いと呼ばれる国々でたまたま偶然にも過ごしております。バブル終焉を迎えようとしている日本で社会人となり、その後の米国ITバブル、上海の不動産バブル、シンガポールの未曾有の好景気(機会があればお話ししたいと思いますが、シンガポールはあえてバブルとは呼んでおりません。)とインフレ経済の申し子のような人生です。特に私が03年に上海に行った当時は、まだまだ日本食、スーパーなども少なく、当時は例のサーズが中国の不衛生な環境も手伝い大きな問題になっていた頃です。今の中国の横柄なふるまい、暴言は当時には全く考えられなかったことも記憶には新しい事です。

兄のこと 89年、私の兄は某証券会社のシンガポールヘッドとしてシンガポールに赴任いたしました。そして95年に忘れもしない日がやってきます。95年、私の方は当時、世界経済をリードする米国への赴任が決まっており、有頂天になっていた時期です。そこに突然の兄からの電話。“僕はxxをやめるよ。そしてシンガポールに賭ける。” xxは日本最大の証券会社です。当時も今も。しかも、95年当時は前述のようにITバブルが始まる直前、米国は世界の誰もが憧れる、依然としてアメリカンドリームを実現できる国でした。当然、当時の風潮は米国が上、アジアは下という認識です。最初は兄の話が全く理解できませんでした。しかし、あれから15年以上経ち、世界の富裕層の目がシンガポールを見ている事を目の当たりにして、兄の先見性はすごかったなと当時を振り返っています。後日談ですが、兄にこの件を話したところ、実際にはもっと時間が掛ると思っていたらしく、ここまでの急成長は予想外だったとも。こんなに早くシンガポールの時代がくるのが分かっていれば、もうとっくに引退できていたよと。(笑)

日本への思い、そして憂い 少し話題がそれましたが、まずは本題に入る前に、私から見た日本の印象、日本に対する思いを含めてお伝えしたいと思います。米国、上海、シンガポールを見て来た私にとって、日本とは間違いなく、世界最高の国(政治とは切り離して下さい)でした。四季折々のきれいな自然があり、人々もやさしく、特に何と言っても日本で育った私にとっては最高のおいしい食べ物があります。日本を離れれば離れる程、日本が懐かしく、誇りでした。おそらく、一度でも日本から離れて海外で生活された方は同じ思いではないかと思います。

今、日本に帰るとがっかりする事がたくさんあります。日本の風景はそのままですし、おいしい食べ物も変わりません。それは言うまでもなく日本の政治であり、若い世代の人達のマインドです。政治については専門家の方にお任せするとして、若い世代の方のマインドについて少し触れたいと思います。

最近良く耳をするようになった事に、若い方が海外で仕事をすることを嫌がっている傾向が挙げられます。皆様もお聞きになったことがあるかもございませんが、商社に入社した新入社員が海外赴任したくないと言うのです。“商社は、海外で仕事をしたいから入社をするのではなかったの?”というのが、私の世代の認識です。それが大きく変わって来ているようです。

私が感じるように、今の日本には全てが揃っています。安全で清潔な環境、おいしい食べ物、家族や友人との面白くて楽しい生活。かつては聞きなれた衣食住という言葉が消えてしまったように思います。それ程、日本は裕福になってしまったのかもしれません。全てが手に入る夢のような世界、すなわち、日本はディズニーランド化してしまったように思えます。ディズニーランドは皆様がご存じの通り、ディズニーが作った夢の世界・物語を遊園地にしたモデルです。そこでは、みんな仲良く、笑顔の絶えない世界です。人間関係・仕事関係でストレスを感じることもありません。ただ、世の中のお父さんだけは順番取りで、楽しむ暇は無いようですが。

誰も帰りたいとは思わない世界がそこにあります。もちろん、一旦外に出れば、その瞬間からたくさんの帰宅に向かう人、交通渋滞に悩まされます。ひとときの幻でしかなかったのです。ずっと、ディズニーランドの中にいたいという気持ちも良く分かりますが、冷静に考えれば、決して許されることではありません。これが、現実問題として日本の国の中で起こっているという気がしています。特に若い世代の方が、日本を出て苦労するよりも居心地の良い日本で楽に生活したいと思っているのではないかと危惧してしまうのです。

今現実にある日本と言う国は、私どもの世代、ましてや若い世代が作り上げたものではありません。私ども親の世代、そしてその前の世代の方々が、日本をもっと裕福にしたい、安全にしたい、世界に誇れる国にしたいと長い時間をかけて作り上げてきたものです。その為に大勢の日本人が海外に出ました。外貨を稼ぐ為、海外での発言力を強くする為、目的は様々です。その絶え間ない努力が今の日本であり、成功を導いてきたことは疑いの余地はありません。

私どもの世代を含めた若い世代、そして政治家は、その上にあぐらをかいているだけです。私利私欲に利権争い、平和で豊かな生活、既にあるものを日本の中で取り合っているだけです。積み上がった巨額の政府債務、孤立化する日本の若者、すでに世界における日本のポジションは見えてしまったような感さえあります。資源も何もない日本が日本の外に、世界に打ってでなくて、子供たちに何を残せるのでしょうか?何も生み出すことなく、消費するだけ(消費するだけならまだしも、マイナスです)の社会に未来はありません。

欧州公債の危機 今、欧州のソブリン債危機が世界中の話題をさらっておりますが、もともとは、欧州ソブリン債危機は“国家は破綻することがない”という前提から始まっている為に、世界中の金融機関が無担保でお金を貸している現象に過ぎません。そこに国家は破綻しうるという信用リスクが顕在化してしまったのです。通常、金融機関が民間企業に資金を貸し出す際にはいろいろな調査、そして担保を要求して、債務の健全化を図ります。ところが、国債は盲目的な国家への信任により、金融機関はほとんど何の調査もなく、ましてや担保を取ることもなく、債券と引き換えに資金を融通してきたのです。政治家や国家のリーダが有能で、返済能力があるかどうかなどは関係ないのです。唯一、その国民・企業に対する国家の絶対的な課税権が、貸し手の金融機関により、担保として勝手に捉えられているのかもしれません。

日本公債の危機 お気付きの通り、欧州ソブリン債を日本国債に、世界の金融機関を日本の金融機関に置き換えれば、その前提はまるっきり同じです。日本政府(政治)に債務返済能力があるかどうかの検証なく、当然、担保もなく、日本の個人資産の大部分がゆうちょ・銀行・保険会社により“勝手”に、日本の公債の購入に充てられているのです。(日本政府への融資となっているのです。)これも同様に課税権(増税)を担保と看做しているとでも言うのでしょうか?それとも、国債の償還用に大量の紙幣を発行してもらい、ハイパーインフレと通貨安を期待すべきなのでしょうか?国債が国内で消化されている以上、世界中に問題をまき散らすことはないかもしれません。でも、問題が起こらない訳では決してないと考えています。少なくとも日本国内でまずは大きな痛みを伴う何かが起こるはずなのです。

以上のお話は、決して長い時間軸の中で起きた出来事ではありません。本当に数年単位での出来事なのです。日本の中にいると、とても時間がゆっくり動いている印象があります。ところが、世界は日本を置き去りにして、日々激動の変化を繰り返しています。世界の出来事は、本当に日本人、日本に住む人にとって無関係なのでしょうか?決してそんなことはないはずです。世界に打って出ない日本を誰が相手にするのでしょうか?相手にしようもありません。だから、何も起こることなくゆっくりと時間だけが過ぎているのです。

返済不能の債務 プライマリーバランスは経常的に赤字が見込まれ、日本の政府債務残高は日を追う毎に増え続けています。1000兆円が既に視野に入っています。それに加えて、特殊法人の抱える不良債権はこの数字の中には入っていません。日本は既に人口減少、少子高齢化という紛れもない事実に直面しております。国力はすなわち、潤沢な若い労働力とも言えます。多少の消費を厭わず、生活をより良いものにしたいという、燃えるような活力です。残念ながら、日本はその時期を過ぎてしまったようです。国力が衰えていく、税収が減り続けるにもかかわらず、益々積み上がり続ける巨額の政府債務。今まで、蓄えて来た個々の資産を全部吐き出せと言うのでしょうか?それとも、お得意の“神風”がまた吹くとでも思っているのでしょうか?

私がお会いした資産家の方の中には、“これまで、まじめに一生懸命働き、きちんと税金を納めて来ました。それなのに、なぜ、こんな風になってしまうのか。二度と税金なんか納めたくない。” シンガポールの友人は言います。“日本は所得税も、法人税も高い。おまけに高額な相続税、贈与税もあるのに、なぜ、財政赤字なの?” もっともな意見に思えます。 *シンガポールの個人所得税は20%が上限の累進課税、法人税は一律17%、相続税、贈与税は2008年に廃止されました。それでも、財政は遥かに黒字で、政府は潤沢な資金を有しています。

日本円の運命 以前より、日本から香港、シンガポールへの資金の流れはありました。日本で何も生まない状態で金融機関に預けておくより、海外で運用して、例え支払う税金が増えたとしても全体の資産を増やすことができるからです。今は、日本に置いておくことにより何も生まないどころか、無くなってしまう可能性が出てまいりました。前述の通り、無担保融資に回されているからです。増税として回収されるのか、インフレで吸収するのか、100年単位での償還繰り延べや、償還しない(デフォルト)という選択をするのか、はたまた預金を封鎖するのか。近い将来には、海外に資産を出すことができなくなる(少なくとも送金制限がかかる)かもしれません。いずれかの時点で日本政府は判断を迫られます。そして、その負担を負うのは紛れもなく預金者の預金、日本国民の資産なのです。

リーマンショックがそうであったように、欧州ソブリン債リスクがそうであるように、信用リスクは突然大きな変化を起こします。日本円に対する信用リスクもいつ発生するか分からないのです。発生した時には既に手遅れなのです。何年も前から円安が叫ばれながら、“一向に何も起きない、逆に円高になっているじゃない”という声も聞かれます。だから、起こるはずがないと言うのは大きな間違いのように思います。偶然が重なって、慎重に検討する時間ができたと喜ぶべきなのかもしれません。日本にとっては、遥か制御不能の円高なのです。

動き出す富裕層 本題に入ります。感性の高い方は、既にこの危機に気付いているようです。特に事業を起こされ、日々の変化に大変敏感な方々が最初に動き出しております。富裕層、資産家と称される方々が多いように思うのは、それまでの成功を裏付ける研ぎ澄まされた感覚が、何かを感じ取っているのでしょう。多くの富裕層・資産家の方が、来るべき時にそなえて海外への資産の移転、隔離を進めています。特に震災以降は、東電と政府の対応に嫌気がさした方も多いようです。シンガポールには震災直後、金融機関への訪問、不動産の見学、セミナーなどの為に資産家の方々を中心に訪問者が殺到致しました。もちろん、全ての方ではありませんが、既に、事業拠点を移された方、シンガポールへの移住をお決めになった方、資産を移転された方がいらっしゃいます。

今、シンガポールに人・物・資金が集まってきています。これは、日本からだけの出来事ではなく、世界中の国、人々が同様の行動を取っています。シンガポールの一挙手一投足が世界から注目されています。(かつての日本がそうでした)シンガポールは1965年にマレーシアから強制的に独立させられた、東京23区を一回り大きくしたくらいの小さな国です。人口も510万人程です。80年代には、書店に行ってもシンガポールの観光ガイドは存在しなかったようです。(マレーシアのガイドブックにおまけのようについていたそうです)建国当時、首相リー・クアンユーは途方にくれました。資源も何もない島国ですから。その彼にとって、日本は光輝く国だったそうです。敗戦国の島国で何の資源も待たない日本という国が世界へ躍進している最中ですから。シンガポール、そしてリー・クアンユーという人は、日本の背中を必死になって追いかけたのです。そして、今日、シンガポールはスイスのビジネススクールが毎年発表している国際競争力で2年連続1位となり(日本は最初にこのランキングが発表された当時は常にトップでした)、また、プライスウォーターハウスクーパーズは2013年にはロンドン、スイスを抜いて世界1の富裕層資産管理国になると新聞紙上で発表しております。過去20年間で日本とシンガポールの名目GDPは完全に逆転しています。片やデフレの(失われた)20年、片や成長し続けた20年間ですから仕方がないのかもしれません。多民族・多宗教国家であるにもかかわらず政治・治安(犯罪発生率は日本の半分以下です)は安定し、世界中の中国人・華僑とルートを持ち、英語を第一公用語、教育レベル・医療レベルも非常に高く、おいしい食べ物もふんだんにあります。イスラエルと共通の軍備力(核は保有していません)も備えています。シンガポールはまだまだ日本に住む方にとっては近くて遠い国のようです。(かつての私もそうでした)ただ、日本で想像以上の事が、このシンガポールでは起きているのです。

日本のためにできること 必ず起こるであろう何かの時の為に、私ども日本人にとって日本の“復興”は必ず必要になってまいります。シンガポールに移住された皆様、資産を動かされた皆様、そしてそのお手伝いをさせて頂いている私どもは、日本からの“逃避”をした、“逃避”のお手伝いをした訳ではありません。“復興”と言う、来るべき時に備えて準備に入ったのです。これは、近隣諸国、中国、ロシア、韓国などの国に任せる訳には行かないのです。私どもの手でなさねばならないのです。日本にいて全員が共倒れしてしまっては、日本は二度と元の姿に戻ることはないでしょう。

日本に資産を置いて置くことの無駄、リスクを検討すべき時間も、あと僅かです。

以上

 

シンガポールの国政選挙が終了致しました。

シンガポールの国政選挙が終了致しました。与党PAPの圧勝となりましたが、87議席の定数の内6議席をWPが獲得し、野党としては過去最多の議席獲得となりました。(前回は4議席)波乱としては現外務大臣のGeorge Yeo氏の落選。先日、奥様で弁護士のJennifer Yeoさんとランチをご一緒させて頂いていただけに、個人的にもショックです。

Yoshi

Sentosa Cove

セントーサ島にあるセントーサコーブと呼ばれる超高級別荘地です。この地区は、セキュリティゲートで関係者以外の出入りが禁止されており、物件見学もプライベートバンカーや一部の関係者しか許可されていません。また、コンドミニアム(高級マンション)、バンガロー(別荘)を合わせ、3000戸しか建築許可が出ていないエリアです。入江に面する一戸建てには、それぞれプライベートヨット用のピアがあります。セントーサ島は入口にユニバーサルスタジオ、カジノ、ラグジュアリーホテル、セントーサゴルフコースと続き、このセントーサコーブが最南端となります。

バンガローは日本円で15億から25億円、コンドミニアムの方は5億円から15億円となっており、海が見える場所、静かな場所、コンドミニアムであれば更に高層階が高額物件となります。コンドミニアムは100平米(3ベッドルーム、4ベッドルーム)~250平米(ペントハウス)となっており、いずれも広いバルコニーが特徴です。特に最上階のペントハウスにはプライベートプールが備え付けられています。

Yoshi

今日、5月7日はシンガポールの国政選挙です

今日はシンガポールの国政選挙です。リークアンユー氏の選挙エリアの5議席を除く、全82議席を争う大規模な改選となります。221万人の有権者が投票所に向かいます。シンガポールの与党はPAP(The People’s Action Party)で52年間政権を守っています。これまでに野党が取った最大議席数は4議席、今回の選挙では初めて投票が行われる地区も多く、この野党の議席がどうなるのかが焦点のようです。シンガポール国民の間では、外国人・PR保持者に対する優遇策に対する不満が燻っているとの噂もあり、本日の選挙結果は非常に大きな興味が持たれています。リークアンユー氏も高齢であり、今回の選挙は氏にとっても最後の大舞台となりそうです。ただ、だからと言って、シンガポールの政策に大きな変化が起きる事は考えづらく、我々外国人にとっての興味は、現在、非常に取得が困難になっている就労ビザ・永住権などの移民政策がどのように展開されるのかに尽きます。リークアンユー氏の手腕による、シンガポールの目覚ましい経済発展、治安を含む生活環境、自然環境対策は国民の全員が認めるところでもあるでしょう。

YOSHI

海外生命保険 ② - 高齢者

日本では70歳を超えると保険に加入することが非常に難しくなります。商品的には、保険料1に対して、保険金が1という商品も販売されているようですが、これは生命保険金については被相続人一人につき500万円の控除金額があり、その分、課税対象金額を減らせる為です。これも間もなく、被相続人については未成年者、身体障害者、同居していたことなどが条件となりますので魅力が半減することになりそうです。

海外の生命保険では、健康診断を受けた上での保険会社の引受ベースとなりますが、80歳を超えても保険に加入できることがあります。通常でも70歳以上は、ほぼ問題にならないようです。もちろん、年齢の低い方に比べると保険料は上がってしまいますが、保険料と同額の保険金ということはありません。

Asia Century Fund

このファンドは、ロングオンリーなので正確にはヘッジファンドではありません。私のシンガポール人の友人がやっているファンドです。資産総額はUS4000万ドルと規模は大きくないのですが、特徴はその内の半分は彼の個人資産ということです。従って、無理をした投資は全く考えておらず、あくまでも個人にとって安全で最適な投資が謳い文句です。キャッシュの割合も15%程度と多めに取ってあります。日本を除くアジア株に投資しています。ファンド設定以来のパフォーマンスは13年間で200%、年換算すると5.5%の複利ですから、預貯金に比べれば良いと言った程度のものですが、派手なパフォーマンスを振りかざすファンドよりは、逆に安心感はあります。最低口数はUS10万ドル、購入手数料はゼロです。

Yoshi